加藤外科産婦人科・乳腺クリニック

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乳房に関する症状について

乳癌検診を受けようと思うのですが、生理前と後とどちらがいいでしょうか。また検診を受ける際に注意することはありますか。(40歳女性)
乳癌検診はマンモグラフィによる放射線の被ばくがあるため妊娠の可能性のない生理後のほうが安全に受診できます。個人差はありますが生理前では乳房が張っている場合があるのでマンモグラフィで乳房を圧迫するときに痛みを感じやすくなることがあります。仕事や家事などの都合で難しいかもしれませんが可能であれば生理後のほうがお勧めです。日ごろから乳房の自己検診を行っておくことは重要で、しこりや乳頭からの分泌物の有無など、気になった事を担当医師に伝えることが大切です。特に乳頭の分泌物は下着に付着していることで発見されることもあるので注意深く見ておく必要があります。また肉親や親族で乳癌になった人の有無、特に母親やその姉妹が乳癌であった場合は乳癌になった年齢がわかるようにしておくことも大切です。その他に常用している薬や過去にかかった事のある病気などについてもわかるようにしておくとよいでしょう。
乳癌検診を受けたところ、石灰化が左胸に数個見つかりました。もう少し様子を見るようにと言われましたが、次の検査に進んだ方がいいという石灰化はどのようなものですか。
乳癌検診で石灰化が見つかり、経過観察や精密検査となる事があります。石灰化とは乳腺の中にカルシウムが沈着した状態を示し、乳腺症などの良性の疾患や乳癌などの悪性の疾患のいずれでもみられます。良性か悪性かの区別は、マンモグラフィで撮影された石灰化の形状と分布(広がり具合)が重要です。その判定基準は学会を中心とした組織によって定められ、読影する医師の資格もまた厳しく管理されています。そのような判定プロセスを経てもなお良性とも悪性とも判定をつけがたい石灰化は経過観察とされ、半年、1年などの間隔をあけて再度マンモグラフィを行って形状や分布の変化をチェックします。御質問者の場合、数個だった石灰化がその部位に集中して増えている場合は悪性を疑う変化と判定され、石灰化のある乳腺を特殊な針を使って生検する検査(針生検)を行って癌かどうかの診断がなされます。マンモグラフィによる乳癌検診で指摘される石灰化の多くは良性ですが、経過観察を要する石灰化も少なからず存在します。定期的に検診を受けるようにしてください。
最近、乳がんが増えていると聞きますが、乳がんになる確率が高くなってしまう要因などはありますか?(55歳・女性)
最近、乳がんになる人が増えていますが、乳がんになった人にはある特徴があります。未婚、出産をしていない、授乳をしていない、初産年齢が30歳以上、初潮が早い、閉経が遅い、母親、姉妹に乳がんになった人がいるなどで乳がん発症リスクと言います。これらの項目に該当する人すべてが乳がんになるわけではなく、該当しない人は乳がんにならないというわけではありませんが、当てはまる項目がある人は、乳がんになりやすい素因があると考えて下さい。特に閉経後では高脂肪の食事で肥満傾向にある人や飲酒をよくする人なども乳がんになるリスクが高くなると言われていますが、フィットネスなどの運動は逆にリスクを下げるとされています。食事や飲酒は生活習慣病予防の面からも重要なので、体重が増加気味の方は食生活について今一度見直してはいかがでしょうか。乳がん発症リスクに該当しなくても乳がんになる方は大勢います。健康管理のためにも月に1回は乳房の自己検診を行い、定期的にマンモグラフィと超音波検査による乳がん検診を受けるようにしてください。
45歳女性です。胸のしこりが気になって病院を受診したところ、乳腺症だと診断されて通院しています。今後、気を付けることはありますか?また、乳癌との関係を教えてください。
乳腺症と診断されたので将来乳癌になるのではと心配されているのかもしれませんが、乳腺症と乳癌は関係ありません。乳腺症とは、女性ホルモンの影響によって乳房に痛みが出たり、しこりのように硬くなったりする状態を示し、30歳から50歳前後の方にしばしばみられる良性の疾患です。乳癌とは関係ないので過剰に心配することはありませんが、今後年齢とともに乳腺が変化して、その一部が乳癌となることもありえます。最近では生涯を通じて11人に一人の割合で乳癌になると言われているので、定期的にマンモグラフィや超音波検査による検診を受けることが大切です。そして月に一回はご自身で気になっているしこりの部分が変化していないか、新たなしこりができていないかなどの乳房自己検診を行う事が特に重要です。参考にしてご自身の健康管理に役立ててください。
高濃度乳房とはどのような状態なのでしょうか?またその場合、超音波検査のみでいいのでしょうか?
マンモグラフィを施行した際には乳房内の乳腺の量と分布について評価を行い、脂肪性、乳腺散在、不均一高濃度、極めて高濃度の4つに分類します。その中で後ろの2つを合わせて高濃度乳房と称して、乳癌などの病変があっても正常乳腺に隠されて発見しにくい状態を示します。マンモグラフィでは乳腺は白く、脂肪組織などは黒く写りますが、乳癌などの病変も白く写るので、乳腺が多く全体が白っぽく写る高濃度乳房では病変の発見がむずかしくなります。特に30歳代の若い年齢層や出産・授乳を経験していない40歳以降の女性の場合はこの傾向が強くなります。その欠点を補うために超音波検査が用いられており、マンモグラフィ単独に比べて乳癌の発見率が優れていることがわかっています。発見率を高めるためには、見落としのない高い技術を持った医師・検査技師による安定した超音波検査が必要ですが、新たに全自動で乳房をスキャンする超音波機器も使用されるようになってきています。一方、早期乳癌の発見につながる石灰化についてはマンモグラフィのほうが明らかに優れており、両者の併用による乳癌検診が最も有効とされています。
先日、両胸に乳腺のう胞ありと診断を受けましたが、検査はなく経過観察と言われました。乳がんと乳腺のう胞との違いはなんでしょうか?このまま検査せずに経過観察でいいのか不安です。
乳腺のう胞とは乳腺の良性の病気であって、乳癌のような悪性の病気とは全く異なります。このまま経過観察として頂いて大丈夫です。安心してください。ただし、月一回程度の自己検診は必ず行って、何か異常を感じたら、かかりつけの先生に相談してください。なにも変わりがなければ年1回は超音波検査を受けられるとよいと思います。乳腺のう胞は、乳汁などの分泌物が乳腺内に溜まったもので、数ミリから数センチに至るまで様々な大きさのものがあります。マンモグラフィで指摘される場合もありますが、多くは超音波検査で発見され、特殊な例を除いて経過観察で問題ありません。しかし急速に大きくなるものや、のう胞の中に腫瘍がある場合には注意が必要です。特に高齢の方ではその腫瘍が癌化していることもあるので、必ず定期的な検診を受けるようにしてください。
40代後半の主婦です。乳がん検診で高濃度乳腺と指摘されました。マンモグラフィ検査ではなく、今後超音波検査を受ければいいのでしょうか?
最近マンモグラフィによる乳がん検診が広く行われるようになり、それに伴い高濃度乳腺についても関心がもたれるようになってきました。高濃度乳腺とは、乳腺の濃度が高いためにマンモグラフィで「白く」写る乳腺を示します。これが問題となっているのは、マンモグラフィではがんも「白く」写るため正常の乳腺と区別がつけにくく、がんを発見しにくいためです。
特に閉経前の40代女性では高濃度乳腺の傾向が強いため、超音波検査を併用することでがんの発見率向上が期待されています。そのためには見落としのない高い技術を持った医師・検査技師による安定した超音波検査が必要で、新たに全自動で乳房をスキャンする超音波機器も開発されてきています。
一方、早期の乳がん発見につながる石灰化については明らかにマンモグラフィのほうが優れており、可能であれば両者の併用による乳がん検診をお勧めします。
50歳の主婦です。
最近友人が乳ガンになったと聞いて、自分の乳房をさわってみると、両方にしこりのようなものがあり心配でなりません。すぐに医者にかかったほうがよいのでしょうか。
両方のお乳にあるしこりは、多くの場合正常な乳腺組織か、乳腺症とよばれる良性の乳腺疾患で、悪性のしこり(乳がん)である場合はまれです。乳房は乳汁を分泌する乳腺組織からなり、正常な状態でも全体をしこりのように感じます。注意がいるのは生理が終わった後、片側のお乳に以前にはなかったしこりを触れる場合です。
しかし一般の方がそのような異常なしこりだけを識別するのはむずかしいものです。最近では、触診の他に「マンモグラフィー(乳房レントゲン検査)」と「超音波検査」も行われ、触っただけではわからないような早期の乳がんも発見できるようになってきました。少しでも不安を感じたらあまり悩んでいないで、乳腺外科を受診しましょう。
いわゆる胸のしこり(ガンの可能性のあるできもの)は素人が手で触ってわかるものなのですか?
お乳の「しこり」には、正常の乳腺、良性の腫瘍、悪性の腫瘍(乳がん)などがあります。一般の方がこれらを区別するのはまず不可能ですが、触って見つけることはできます。日頃から入浴時などにお乳を触って、いつもと変わりないかどうかをチェック(乳房の自己検診)して、「おかしいな」と思ったら、すぐにかかりつけの先生に相談することが大切です。また、乳がんであっても触ってしこりに感じないタイプや、しこりがあっても非常にわかりにくいタイプもあります。このような乳がんは医師であっても視触診では発見できず、「マンモグラフィー(乳房レントゲン検査)」や「超音波検査」が必要となります。たとえしこりを感じなくても、40歳を過ぎたら一度はこれらの検査を受けることをお勧めします。
時々、乳房がジーンと痛むことがあります。
生理前や生理中以外で痛むことがあったら何かの病気なのでしょうか。
乳房の痛みや張った感じは、程度の差はあっても女性ならば誰でも経験したことがあるものです。一般に生理の始まる数日前から出現し生理の始まりと共に減少しますが、個人差が大きく、生理と生理の中間(排卵期)にも出現する場合や、生理が終わっても持続する場合、生理とは無関係に出現する場合など非常に多彩です。乳房は女性ホルモンによって調節されているので、このホルモンの微妙な変化で痛みや張った感じが現れるのです。生理不順がある時は、ホルモンのバランスの異常が関係している場合がありますが、生理が順調であればまず病気の心配はしなくてよいでしょう。当院にも乳房痛を心配して受診される方がいらっしゃいますが、検査の後、病的なものではないことを説明すると痛みが少し楽になる方もいらっしゃいます。
妊娠しているわけでもないのにときどき母乳が出ます。
下着にまでしみることも、たまにあります。病気でしょうか。
妊娠の経験がない場合でも、また出産し授乳を終えた後でも、ご相談のような乳汁分泌が見られる事がありますが、生理が順調にあるならばほとんどの場合、心配するような病気ではありません。まれに服用している薬(胃腸薬や抗うつ剤)などの副作用として出現する事がありますが、薬の服用を止めれば乳汁分泌もやがて止まります。しかし、生理が不規則だったり無月経の場合は、乳汁分泌に関係するホルモンに問題があり、不妊症の原因となる事もあります。また、乳汁ではなく薄い黄色や血液が混ざったような赤茶色の乳頭分泌の場合は、乳腺に腫瘍がある場合もあります。これらの症状があるならば、できるだけ早く乳腺外科の医師に相談してみて下さい。
娘を出産して2年半、未だに生理がありません。
3ヶ月前まで母乳をあげていましたが何か関係があるでしょうか?
分娩後に生理が初めて来る時期には個人差があります。分娩後の無月経期間は授乳と関係があり、授乳をしない人は短く、授乳をした人は長くなります。1年以上も無月経ということもまれではありません。このように分娩後の授乳期間中に生理が来ない状態を授乳性無月経と呼び、授乳期間中に次の子供を妊娠しないようにするための現象とも考えられています。これは授乳の時に赤ちゃんが乳頭を吸う事によって、その刺激が性ホルモン中枢に作用して乳汁の分泌を促し、卵巣の機能を抑制するように働きかけるためです。多くの方の場合、授乳を止めると3ヶ月前後で生理が見られるようになりますが、その時期を超えても生理が来なければ乳腺外科の医師に相談してみて下さい。
出産して2ヶ月と少しになりますが、母乳の出が良くありません。
出産して3日目から母乳がでるようになり、1週間後にはだいぶ張ってきてでるようになったのですが、その後退院してミルクと混合にしていたら母乳がほとんど出なくなってしまいました。
今からでも出るようになるのでしょうか?病院ではどのような処置をとるのでしょうか?
母乳は、赤ちゃんが乳頭を吸う事によってたくさん出てくるようになります。これは、乳頭への吸引刺激が乳汁分泌刺激ホルモンなどの分泌を高めるためです。このホルモンの作用でお乳の分泌が盛んになってきます。
あなたの場合は、ミルクとの混合授乳をするようになったら、母乳分泌が減ったとの事ですが、おそらく赤ちゃんが乳頭を吸う回数が減ったからではないかと思われます。お乳の出が悪くても根気よく乳頭を吸わせることによって、母乳の分泌は高まってきます。
当院では母乳による授乳を第一に考え、乳房の自己マッサージ方などをお母さんに教えています。
実は、私は昨年末美容外科でシリコンによる豊胸手術を受けたのですが、シリコンの漏出が原因で乳がんになるのではないかと心配しています。どこかきちんとした病院で検査していただきたいと思っています。御院では検査していただけないでしょうか?また、もしお願いできるのであればおおよその予算や時間など教えていただけないでしょうか?
豊胸手術の方法は時代とともに変化しています。今から数十年前はパラフィンもしくはシリコンといわれる特殊な物質を、直接乳房内に注入して胸を大きくしていました。この方法では後日リンパ節が腫れたり、乳房に硬結(いわゆるしこり)ができることが多く、今では全く行われていません。その後特殊なバッグにシリコンを入れたもので、乳房を大きくする方法や生理食塩水を入れたバッグを使う方法などが開発され、今日ではこの方法が主流となっています。一時期、シリコンと乳がんの関連性が大きくクローズアップされましたが、現在はその関連性は極めて低いとされています。
乳がんの事がご心配でしたら、乳がん検診を受けられる事をお勧めします。当院では視触診、乳房X線検査(マンモグラフィー)、超音波検査による乳がん検診を行っており、どなたでも受診していただけます。
生まれつき片方の乳頭が陥没していて、中に垢のようなものがたまっているのですが放置しておいても大丈夫なのでしょうか?
陥没している乳頭の事を陥没乳頭といいます。妊娠するとお乳全体が張ってきて軽度の陥没乳頭は治ってしまう場合が多く、また多少陥没していても赤ちゃんのおっぱいを吸う力で乳汁は出てきますので、それ程心配することはありません。お乳からは授乳の時期でなくても少量の乳汁は分泌されています。乳頭の表面に白い粒のようなものがついている事があると思いますが、これは分泌された乳汁が乾燥して固まったもので、入浴した時などに洗い流されてしまいます。陥没乳頭の場合は洗い流されずに残ってしまうことが多く、不潔になりやすいので乳腺炎などの原因になる場合もあります。入浴中に引っ込んだ乳頭を出して、やさしく洗っておくとよいでしょう。引っ張っても出てこないような陥没乳頭の場合は、御相談下さい。
子供を産まないと乳がんになりやすいのでしょうか。また私の母は乳がんを経験していますが、遺伝の可能性はありますか。
最近、乳がんになる人が増えていますが、乳がんになった人にはある特徴があります。それは未婚、出産していない、授乳をしていない、初産年齢が30歳以上、初潮が早い、閉経が遅い、母親、姉妹にがんになった人がいる、などです。これらの項目が一つもなくても乳がんになった人はいますが、該当する項目があると乳がんになる危険性が高くなると言われています。この中で乳がんの家族歴は重要で、母親や姉妹に乳がんになった人が複数いる場合は乳がんになる危険率は格段に高くなると言われ、近親者に発生する乳がんには様々ながん遺伝子が確認されています。御質問の方のように出産経験がなく母親が乳がんである場合は、普通の人に比べて乳がんになる危険性が高いと考えられます。月に1回は自己検診を行い、定期的にマンモグラフィと超音波検査による乳がん検診を受けることをお勧めします。
出産より3年程経ちますが、いまだに乳房からお乳のようなものが出てきます。胸の張りなどは特に気になりませんが何が原因なのでしょうか?
「お乳のようなものが出る」と言うことですが、おそらく授乳の時のようにたくさん出るのではなく、薄い乳汁のような液体が下着に少しつくとか、絞ると少し出るといった量ではないかと思います。授乳後数年経過しても少量の薄い乳汁が出ることはよくあることで、異常ではありません。出産していない女性でも乳頭を良く見ると白い粒のようなものが着いているのがわかりますが、これも少しだけ出てきた乳汁が乾燥して固まったものです。つまり出産可能な年齢の女性ならほとんど誰でも多少のお乳は出ていると言うことです。ただし薄い黄色や血液が混じったような分泌物が出てきた場合や、生理がこない場合は注意が必要です。また何かのお薬を服用している場合はその副作用の場合もあるので、かかりつけの先生に相談して下さい。
時々、乳頭の周りにかゆみがあります。かゆみがひどくなると乳頭が赤くなって分泌液が出てきます。このままにしておいてよいのでしょうか?
ご質問の方のような症状を訴えられる方が最近増えているように思います。多くは比較的若い方で、もともとアトピー性皮膚炎がある方や、最近手足などに同じような皮膚の症状が出てきた方などです。皮膚が乾燥しやすく、カサカサして痒くなって掻いてしまうと、乳頭や乳輪の皮膚の表面がめくれるようになってしまいます。そこから分泌物のようなものが出てきて、ジュクジュクした状態になり、そのうちかさぶたのような物ができて、また最初のカサカサの皮膚に戻るという状態を繰り返します。マンモグラフィや超音波検査を行っても乳腺自体には何の異常もなく、皮膚の病気と考えて下さい。これに似たような症状を呈する乳がん(パジェット病)もありますが、非常にまれで高齢の方に発症しやすい病気のため、若い方が乳がんではないかと心配することはありません。一度、かかりつけの先生のご相談されてみてはいかがですか?
お風呂に入っているときに右胸にしこりを見つけました。まだ28歳なのですが乳がんの可能性があるのでしょうか?
おっしゃるように28歳という年齢で乳がんの可能性はかなり低いと思われます。しかし非常にまれですが10代で乳がんが発症したという学会報告などもあるので、そのまま放置というのも心配です。一般的に若い女性にできる腫瘍(いわゆるしこり)で最も多いのは線維腺腫と言われる良性の腫瘍で、やや硬く、くるくると良く動くように触れる傾向があります。この他に乳汁などの分泌物が溜まった「のう胞」や、特に乳頭の近くでは膿が溜まってできた「膿瘍」などの場合もあります。外科や乳腺外科を専門に診療している医療機関へ行かれて超音波検査を受けてみて下さい。痛みや放射線被爆の心配もなく、どんなしこりなのかわかることと思います。思い悩むより病院へ足を運んでみてはいかがですか?
半年ほど前に出産して現在授乳中です。左の乳房に何かしこりのようなものを見つけました。もし乳がんだったらこのまま授乳をしていていいのでしょうか?
授乳中に時々しこりのようなものを感じることがありますが、多くの場合、乳汁が袋のような物(のう胞)の中に溜まってできた乳瘤(にゅうりゅう)と言われるもので、乳がんであることはめったにありません。万一しこりが乳がんで、その乳汁を赤ちゃんが飲んでも心配するような害はおこりません。乳がんかどうかがご心配でしたら、乳腺外科を受診して下さい。検査にはマンモグラフィーが必要ですが、授乳中は乳腺の濃度が高く映るため、腫瘍があってもはっきりわからないことがあります。そこで超音波検査による診察を行いますが、早期の乳がんを見つけ出すのは難しいと言われています。乳瘤は授乳後に飲み残しの乳汁を出し切らなかったなどの理由でできることがありますが、ほとんどは自然に吸収されてなくなってしまいます。しかし場合によっては赤く腫れて熱が出てくるなど乳腺炎の原因になることがあります。こうなると授乳を続けるのが難しくなるので、授乳前後にはマッサージをしっかりするように心がけて下さい。
少し前から、押したりすると乳頭から水のようなものが出てきます。出産して7年経つのですが、何か異常なのでしょうか?心配です。
「水のようなものが出る」と言うことですが、よく見ると薄い乳汁のような分泌物ではないでしょうか。おそらく授乳の時のようにたくさん出るのではなく、下着に少しつくとか、絞ると少し出るといった量ではないかと思います。授乳後数年経過しても少量の薄い乳汁が出ることはよくあることで、異常ではありません。出産していない女性でも乳頭を良く見ると白い粒のようなものが着いていることがありますが、これも少しだけ出てきた乳汁が乾燥して固まったものです。出産可能な年齢の女性ならほとんど誰でも多少のお乳は出ているのです。ただし薄い黄色や血液が混じったような分泌物が出てきた場合には注意が必要です。初期の乳がんである場合があるからです。また何かのお薬を服用している場合はその副作用の場合もあるので、必ずお薬を処方して頂いている先生に相談して下さい。
最近、左右の乳房の大きさが違うのが気になりはじめました。病院に行ったほうがいいですか?
左右の乳房の大きさが異なることは、一般的には異常とはみなされません。実際、ほとんどの女性は左右の乳房の大きさが異なると報告されています。一般的には左の乳房の方が大きいとされ、乳がんの発生率も左の方が多くなっています。

しかし、あまり気にする必要はないのですが、最近になって左右差が大きくなったということは、何らかの変化が乳房に起こっている可能性があります。体重の急激な変化(急に太ったとか痩せたなど)があった場合、左右差が目立つようになることはあります。

だからといって、そのようなことがないのに片方の乳房が大きくなった場合は、例えば、乳房に何らかの腫瘤が発生している事が考えられます。左右差が大きくなったと感じた場合は、早めに乳腺専門医療機関を受診し、乳房の健康状態をチェックすることをおすすめします。
今35歳なのですが、生理痛がひどくて仕事を休まなければならなくなる時があります。
ホルモン剤を処方してもらって少し楽になってきましたが、乳がんの心配はありませんか?
ご質問の方は月経困難症といわれる状態ですね。
月経期間中に月経にともなっておこる病的な状態をいい、下腹部痛、腰痛など一般に月経痛とよばれる症状に加え、おなかの張る感じ、下痢、吐き気、頭痛、疲労・脱力感、食欲不振、いらいら、憂うつなどの症状も現れることがあります。

→月経困難症の詳細について

月経に伴うものだから仕方がないと思っている方も多いかもしれませんが、これは立派な病気です。
きちんとした治療を受ければ、ご質問の方のように症状が軽くなります。
月経困難症の治療には鎮痛剤、漢方薬のほかにホルモン剤などがありますが、ホルモン剤を服用するときには気を付けなければならないことがあります。

それはキチンと乳がん検診を受けてからホルモン剤の使用を始めることです。もしも乳がんにかかっているのにそれを知らないで低用量ピルを服用してしまうと、乳がんを悪化させてしまう恐れがあるからです。
なので月経困難症の治療を行っているときは、毎月乳がんの自己検診を行い、年に一回はマンモグラフィ、超音波検査による乳がん検診を受けるようにすることが大切です。
そうすれば心配なく治療を続けられて快適な生活を送ることができます。ご参考にしてください。

→ホルモン剤を内服中の患者様へ(PDF)
→自己検診の方法(PDF)

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