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乳房に関する症状について

乳がんになる確率が高いのはどんな人ですか?
乳がんになりやすい人は以下のような特徴があります。
・母親、姉妹に乳がんになった人がいる方
・出産や授乳をしていない方
・初産年齢が30歳以上の方
・初潮が早い方、閉経が遅い方
・閉経後に肥満傾向にある方
・喫煙・飲酒の習慣のある方
特に乳がんの家族歴は重要で、母親や姉妹に乳がんになった人が複数いる場合は乳がんになる危険率は格段に高くなります。また、こういった乳がん発症リスクに該当しなければ乳がんにならないというわけではありません。
月に1回はセルフチェックを行い、定期的にマンモグラフィと超音波検査による乳がん検診を受けるようにしてください。
乳癌検診を受けたところ、石灰化が左胸に数個見つかりました。
もう少し様子を見るようにと言われましたが、次の検査に進んだ方がいいという石灰化はどのようなものですか。
両方の乳房にあるしこりは、たいてい良性の乳腺疾患(乳腺症)で、乳がんである場合はまれです。注意がいるのは生理が終わった後、片側のお乳に以前にはなかったしこりがある場合です。マンモグラフィや超音波検査で、乳がんは早期に見つけることができますので、少しでも不安を感じたら乳腺外科を受診してください
乳がん検診を受けたいと思うのですが、生理前と後とどちらがいいですか?また検診を受ける際に注意することはありますか?
マンモグラフィはX線検査ですので、妊娠の可能性のある場合は受けられません。生理が来てから受けるようにしてください。また、マンモグラフィは乳房を圧迫して撮影しますので、生理前の乳房の張りやすいときは痛みを感じることもあり避けた方がよいでしょう。検診時にはしこりや乳頭からの分泌物の有無、既往歴や飲んでいる薬をお聞きします。また、母親や姉妹で乳がんになった人がいるかどうかも重要な情報です。誰がいつ頃かかったかをメモしてご来院ください。
お風呂に入っているときに右胸にしこりを見つけました。まだ28歳なのですが乳がんの可能性があるのでしょうか?
28歳という年齢で乳がんの可能性はかなり低いと思われます。一般的に若い女性にできるしこりで最も多いのは線維腺腫と言われる良性の腫瘍で、やや硬く、触るとくるくると動くように感じられます。この他に乳汁などの分泌物が溜まった「のう胞」や、特に乳頭の近くでは膿が溜まってできた「膿瘍(のうよう)」の場合もあります。
しかし、非常にまれですが10代で乳がんを発症したという報告もあるので、乳腺外科を受診して確認したほうが安心でしょう。
乳がん検診で左胸に石灰化が数個見つかりました。様子を見るように言われましたが、精密検査が必要なのはどのような場合でしょうか?
乳腺の石灰化は、良性、悪性のどちらの場合もあり、その区別は、マンモグラフィの読影資格を持った医師が、石灰化の形と部位から判定します。その結果、良性とも悪性とも判定をつけがたい石灰化は経過観察とされ、半年、1年などの間隔をあけてその変化をチェックします。そこで、悪性が疑われる場合は精密検査となり、特殊な針で組織をとって診断をします。当院の乳腺外科の医師はすべて読影資格を有しています
乳がん検診で高濃度乳腺と指摘されました。今後は、マンモグラフィではなく超音波検査を受ければいいのでしょうか?
マンモグラフィと超音波を併用した乳がん検診が最も有効です。高濃度乳房とは、乳房内の乳腺組織の割合が多く、マンモグラフィで乳房が白く写る乳房のことです。マンモグラフィではがんも白く写るため発見しにくいのですが、超音波検査を行うことで高濃度乳房の方も乳がんの発見率を向上できます。ただ、早期乳がんの発見につながる石灰化については、マンモグラフィのほうが明らかに優れているため、両方の検査結果を総合的にみて診断する必要があります。
先日、両胸に乳腺のう胞ありと診断を受けましたが、経過観察と言われました。乳がんと乳腺のう胞との違いはなんでしょうか?
このまま検査せずに経過観察でいいのか不安です。
乳腺のう胞とは乳汁などの分泌物が乳腺内に溜まった良性の病気であって、乳がんのような悪性の病気とは全く異なりますので、ご安心ください。しかし、急速に大きくなるものや、のう胞の中に腫瘍がある場合には注意が必要です。特に高齢の方ではその腫瘍ががん化していることもあるので、必ず定期的な検診を受けるようにしてください。
若いころに豊胸術を受けたのですが、乳がんが心配です。
豊胸術はシリコンや生理食塩水を入れたバッグを挿入する方法、自分の脂肪やヒアルロン酸、コラーゲンなどを注射する方法などがあります。一時期、シリコンと乳がんの関連性が大きな話題となったことがありましたが、現在はその関連性は極めて低いとされています。関連がないとは言え、日本人の9人に1人が乳がんになる現在、豊胸している方も定期的に乳がん検診を受けるようにしましょう。
豊胸手術をしていますが、乳がん検診を受けることはできますか。
当院では、豊胸している方にも乳がん検診を受けていただけます。豊胸の術式によって検査の仕方に配慮が必要となるため、当院の乳がん検診の問診票には豊胸についてお尋ねする欄があります。正直にご記入ください。
豊胸を知られたくないことを理由に乳がん検診を怠ってしまうと、乳がんの発見が遅れてしまう可能性があります。豊胸している方も定期的に乳がん検診を受けましょう。
時々、乳房がジーンと痛むことがあります。生理前や生理中以外で痛むことがあったら何かの病気なのでしょうか。
乳房の痛みや張った感じは、女性ならば誰でも経験したことがあるものです。生理の始まる数日前から生理の始まるまでのことが多いですが、個人差がありそれ以外の時期にある方もいます。生理が順調であればまず病気の心配はしなくてよいでしょう。当院にも乳房痛を心配して受診される方がいらっしゃいますが、検査をして病的なものではないことを説明すると痛みが和らぐ方が多いように思います。
妊娠しているわけでもないのにときどき母乳が出ます。下着にしみることもありますが、病気でしょうか。
妊娠の経験がない方や授乳を終えた後でも乳汁分泌が見られる事がありますが、生理が順調ならほとんどの場合病気ではありません。服用している薬(胃腸薬や抗うつ剤など)の副作用の場合は、薬を止めれば乳汁分泌もやがて止まります。しかし、生理不順や無月経の場合は、乳汁分泌に関係するホルモンに問題があり不妊症の原因となる事もあります。また、薄い黄色や血液が混ざったような茶褐色の場合は、乳腺に腫瘍があることもあるので、早期に乳腺外科を受診してください。
乳頭が引っ込んでいて、中に垢のようなものがたまっているのですが放置しておいても大丈夫なのでしょうか?
授乳期でなくても乳頭から少量の乳汁は分泌されます。乳頭についた白っぽい粒は乳汁が乾燥して固まったもので、入浴すればたいてい洗い流されます。陥没乳頭の場合は、これがたまって乳腺炎の原因になることもあります。入浴の際には乳頭を引っ張り出して、やさしく洗うようにしましょう。引っ張りだすのが難しい場合は、おへそと同じ要領で綿棒にベビーオイルをつけてやさしくケアしてみましょう。
うまくいかない時には医師にご相談ください。
時々、乳頭の周りにかゆみがあります。かゆみがひどくなると乳頭が赤くなって分泌液が出てきます。
このままにしておいてよいのでしょうか?
皮膚が乾燥してカサカサでかゆくなりそれを掻いてしまうと、乳頭や乳輪の皮膚の表面がめくれジュクジュクした状態になります。それがかさぶたのようになり、またカサカサの皮膚に戻るということを繰り返します。乳腺の異常ではなく皮膚の病気と考えて下さい。当院では軟膏を処方して経過を見るようにしています。
これに似た症状のがんでパジェット病という病気もありますが、非常にまれで高齢の方に多い病気のため、若い方は心配することはありません。
半年ほど前に出産して現在授乳中です。左の乳房に何かしこりのようなものを見つけました。
もし、乳がんだったらこのまま授乳をしていていいのでしょうか?
授乳中に時々しこりのようなものを感じることがありますが、多くの場合、乳汁が溜まってできた乳瘤(にゅうりゅう)と言われるもので、乳がんであることはめったにありません。万が一乳がんだったとしても、赤ちゃんが飲んでも害はありません。乳がんが心配でしたら、乳腺外科を受診して下さい。授乳中は乳腺の濃度が高く、マンモグラフィでは全体が白っぽく映り腫瘍が見つけにくいため、超音波検査による診察を行います。
最近、左右の乳房の大きさが違うのが気になりはじめました。病院に行ったほうがいいですか?
左右の乳房の大きさが異なることは、異常ではありません。ほとんどの女性は左右の大きさが異なります。また、体重の急激な変化があった場合、左右差が目立つようになることもあります。体重の変化もなく片方の乳房が大きくなった場合は、例えば、乳房に何らかの腫瘤が発生している事も考えられますので、一度乳腺外科を受診して乳房のチェックをお勧めします。

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