メタボリックシンドロームってなに?
内臓に脂肪が蓄積した肥満によってさまざまな病気が引き起こされるようになった状態をメタボリックシンドロームと言います。
メタボリックシンドロームの人は、動脈硬化の危険因子である「肥満症」「高血圧症」「糖尿病」「高脂血症」を重複して発症していることがあります。これらの危険因子の重複により動脈硬化の危険性がますます高くなることがわかってきました。
動脈硬化が進むと、心筋梗塞などの心臓病や能出血、脳梗塞などの脳血管障害が起こりやすくなります。動脈硬化はいったん進行するとなかなか元には戻りません。
ひょっとして私はメタボリックシンドロームかしら?
まずおなかの周りを測ってみましょう!
ウエスト周囲径 90cm以上の人は要注意!
ウエストはおへその高さで測りましょう。
また、以下のうち2項目以上あてはまれば、メタボリックシンドロームに該当します。
チェック項目
- 血圧高値
最高血圧が130mm/Hg以上か最低血圧が85mm/Hg以上
- 血清脂質異常
血液検査で中性脂肪かLDLコレステロールが高値
- 高血糖
血液検査で空腹時血糖値が110mg/dl以上
脂肪肝ってなに?
お酒は飲まないので脂肪肝なんて関係ない?
最近ちょっとおなかが出てきたけど、
そんなに太ってないので脂肪肝なんてありえない?
そんなことはありません!
肝臓の病気というと、肝炎ウイルスによるウイルス性肝炎やお酒の飲み過ぎによるアルコール性肝障害などを考えますが、最近、それらに関係なく発症する肝臓病として、非アルコール性脂肪性肝疾患(Nonalcoholic Fatty Liver Disease、それぞれの頭文字を取ってNAFLD、ナッフルディー)や非アルコール性脂肪肝炎(Nonalcoholic Steatohepatitis、それぞれの頭文字を取ってNASH、ナッシュ)が注目されています。それらは、治療をせずにそのまま放置して進行すると肝硬変や肝がんになる恐れもあります。
そして今、非アルコール性脂肪肝炎が増えています。
その原因は、食べすぎや運動不足といった生活習慣の乱れによる内臓肥満(いわゆる隠れ肥満)、ストレスなどが挙げられます。日々の食事のなかで油物はほとんど食べなくても脂肪肝が進行することが知られています。
これは、糖分(砂糖や果糖)や炭水化物(ご飯やパンなど)の必要以上の摂取においても、それらを構成する糖質は中性脂肪に形を変えて肝細胞の中に蓄えられますので、油物をたくさん食べていないにもかかわらず、脂肪肝は発症してしまうのです。
特に女性の場合は更年期になると脂質代謝が大きく変動するため、お酒を飲んでいなくても、知らないうちに脂肪肝が進行していることがあります。
脂質代謝は女性ホルモンであるエストロゲン濃度に大きく影響されるため、閉経後のエストロゲン低下をきっかけに大きく変動することが分かっています。女性の総コレステロール値やLDLコレステロール(悪玉コレステロール)値は、閉経前では男性と比較して低い値を示していますが、閉経後には高い値となりやすく、閉経後は内臓脂肪の蓄積に伴い中性脂肪も上昇してきます。
なので閉経後の体の変化に合わせた生活習慣への対応が重要になってくるのです。
なお肝炎情報センターのホームページには、比較的に簡単に取り組める「肝炎体操」が紹介されています。家庭でも気軽に行える体操なのでぜひ参考にしてご自身の健康管理にお役立てください。
肝炎体操URL:https://youtu.be/-px9AizXGZU
心配になったら特定健診を受けましょう
今までは行政が健康診断(名古屋市成人基本検診)を行っていましたが、今年の4月からは、あなたが加入している保険者(国民健康保険や社会保険など)が行政に代わって健康診断を行います。
保険者から特定健診を受けるための受診票が送られてきますので、それを持って当院窓口まで御相談下さい。なお当院では、特定健診にあわせて胃がん、大腸がん、肺がん、子宮がん、乳がん検診も受診していただけます。